2022年4月に博物館法の一部が改正されたことにより、登録博物館を設置できる法人の幅が広がると同時に、博物館活動の質的な充実がより期待されるようになりました。
特に文化財の保存と活用に力点が置かれ、専門人材の育成やデジタル・アーカイブ化等によって保存体制の充実を図りながら、地域文化の魅力発信により来訪者の増加を促して、地域観光経済にも資する活動が、博物館に求められています。
また国内産業の国際競争力が低迷する昨今、未来を担う理系人材の育成は急務として、経済産業省や文部科学省は、様々な行動計画を打ち出しています。
そうした中で科学館は、学校では学ぶことのできない、科学原理や先端技術の体験を青少年に提供し、科学技術に対する意識を啓発してきました。
さらに未来を語るうえで不可欠な、環境問題の解消を促す、地球温暖化対策やカーボン・ニュートラル技術、リサイクル技術等に対する理解促進も、科学館の大切な役割の一つとなっています。
博物館・科学館の、こうした社会的な責務を果たしていくうえで、利用者との接点となる展示空間は、とても重要な役割を担っています。博物館づくり、展示空間づくりを通じて、そこに人々が集い、地域文化や科学技術と触れ合い、理解し合う場を創造していくことで、地域の、日本の、世界の豊かな未来が拓け、発展していくことを心より願うものです。
Esquisse 06… 自分と動物の能力を比べて生命の尊さを体感する動物園の体験施設